野たたら時代は、小規模製鉄の時代で、たたら師集団は一ヶ所の資源(砂鉄と木炭)が枯渇すると、次の資源を求めて移動を繰り返すという流浪の小人数の集団であったと思われます。そのため一般社会との関わりが希薄で、生活様式等についての記録は見当らないようです。

中世末(戦国時代)あるいは近世(江戸時代)になると、鉄の需要が特に増大してきました。そのため、広大な山林を所有する豪族が競って鉄山経営に乗り出しました。いわゆる鉄師(鉄山稼業家)の出現で、永代たたら時代の幕開けです。