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「糖質制限 その5」天地米店小澤量のHave a Rice Day! ラジオフチューズ2020/9/29

投稿日:2020年9月29日 更新日:

 今回は、糖質制限に伴う問題をさらに紹介します。

 先回、悪い形でのリバウンドを説明しました。体重が戻り、筋肉が減り、脂肪が増えて、代謝が下がり、体温が下がります。これはつまり病気への抵抗力が弱くなることも意味します。

 さらに、様々な危険が指摘されています。

 まず、心理面の問題です。

 海外での研究成果ですが、カロリー制限された高脂肪食と高炭水化物食を一年続けた結果、体重減少の差はなかったのですが、高脂肪食の方が、怒りや敵意、うつ、落ち込みなどの心理状態が明らかに悪くなりました。(※1) 

 多分、気分や感情をコントロールして心の安定を保つ脳内ホルモン「セロトニン」も関係していると思います。

 セロトニンの材料は、トリプトファンという必須アミノ酸と炭水化物とビタミンB6です。お米には、全て含まれています。

 次に、糖尿病になりやすくなります。まさか、と思いませんか?糖質をとらなければ、血糖値は上がらず、糖尿病になりにくい、これが一般的な勘違いです。

 実は、糖尿病とは、目に見えるのは血糖値ですが、その前に、糖代謝異常という問題から始まります。糖質を取り込み、エネルギーとして使う、それが糖代謝ですが、この機能がおかしくなることが、糖尿病の最初の一歩です。

 そして、糖質制限に伴う、脂肪摂取の増加が、その引き金になります。炭水化物を少なくして脂肪を増やすと、インスリン抵抗性が悪化します。血液中の余った糖質を筋肉に取り込むことがインスリン機能の一つですが、この機能が低下します。こうなると、糖質を摂取すると血糖値が異常に上がるようになります。

 総摂取カロリーの55%を脂質にした高脂肪食の場合、わずか5日間続けただけで糖代謝に異常を来たしたという研究結果もあります(※2)。

 ちなみに、昔の日本人のように、ご飯をたくさん食べる、つまり炭水化物を十分に毎日食べていると、このインスリン抵抗性が改善します。日本人は、欧米人に比べると、インスリンの量が少ないのですが、要するに少ないインスリンでも大量の糖質に十分対応できていたのです。

 それが、食生活の変化で、糖質が減り、脂肪が増えて、インスリンの効き目が悪くなり、糖質の代謝がうまくできなくなった結果、血糖値が常に高かったり、そのアップダウンが激しかったり、まさに、糖尿病の危険性が増えていったわけです。

 過激な糖質制限を続けている、糖質制限の教祖のような先生がいますが、ご当人は、糖質を摂取すると血糖値が爆発することを認めています。つまり、元々悪くなってしまった糖代謝の能力が、全く改善していない、ということです。

 さらに、血管系の病気という問題もあります。

 過剰な脂肪摂取は、血管の中の動脈硬化につながり、心筋梗塞や脳梗塞の原因になります。糖質制限を続けていた有名な方が、心筋梗塞や脳梗塞で亡くなるという複数の報道もありました。

 次に、たんぱく質の過剰摂取の問題です。

 まず、たんぱく質を多く含む食品、肉類やその加工品ですが、たんぱく質と同時に大量の脂肪を摂取してしまう可能性があります。さきほど説明したような問題があります。

 そして、たんぱく質の大量摂取自体の問題です。三つ紹介します。

  •  第一に、内蔵疲労。余分なタンパク質の処理のために肝臓や腎臓にかかる負担が増えます。
  •  第二に、尿路結石。動物性タンパク質のために、結石ができやすくなります。
  •  第三に、腸内環境の乱れ。体に吸収されなかった動物性タンパク質が腸内に送り込まれ、悪玉菌のエサになってしまい、腸内環境の乱れにつながります。

 悪玉菌が増えてしまうと腸の運動が弱まり、感染の危険性が高まり、発がん性物質が多く作られてしまう可能性があります。

 最後に、妊婦や子供への影響です。

 妊娠及び授乳期における飽和脂肪酸の過剰な摂取は、胎児あるいは新生児、離乳期の幼児の代謝を変化させてしまうという研究結果があります。(※3)

 また、妊娠初期に糖質を制限し過ぎると、子どもの肥満につながる可能性が指摘されました。(※4)

 妊婦自身への影響もあります。妊娠糖尿病という病気があります。糖尿病ではないのに、妊娠後、糖代謝の異常を起こすことで、一般的には出産後は正常に戻りますが、中にはそのまま糖尿病に進行してしまうことがあります。

 妊娠糖尿病と診断された女性の内、動物由来の高タンパク質・高脂肪食のグループは2型糖尿病の高リスクになりやすいのです。(※5)

※1

https://jp.reuters.com/article/us-food-diet-idUSTRE5A90C720091110

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/1108558

※2

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/oby.21031

※3

https://ojyokoita.blog.fc2.com/blog-entry-480.html

※4

※5

https://care.diabetesjournals.org/content/early/2015/11/04/dc15-1642

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