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「お米のはかり方と水漬け」天地米店小澤量のHave a Rice Day! ラジオフチューズ2019/06/11

投稿日:2019年6月11日 更新日:

お米のはかり方と水漬け

 いよいよ暑い日、ムシムシする日が増えてきましたね。ばてないように、しっかりご飯を食べてくださいね。お米を食べたら太る?と心配ですか?それなら、こんな数字はいかがでしょうか?

 昭和16年(1941年)、先の戦争が始まる九か月前の4月、米の配給制が始まりました。今から、八十年近く前のことです。

 その量ですが、一人一日当たり2合3勺(320グラム)です。年間では、120キログラム。それまでの一人当たり米の消費量は3合(420グラム)でした。これは年間では、150キログラムになります。

 昭和二十年以降、戦後の厳しい食糧生産と、人口増加の中、一方でアメリカのテコ入れ(善意とも計算とも)による小麦によるパン食も普及して、お米の消費は戦前ほどではありませんでした。それでも、昭和35年、1960年には、一人当たり113キロでした。この頃、お米の国内生産もやっと順調になり、輸入しなくてもよい状態になりました。それから、お米の消費量は減り続け、今は、年間でも60キロ未満です。戦前の40%ですね。そして、当時、生活習慣病になる人の数は、はるかに少なかったです。

 是非、お米をベースにバランスの良い食事で、暑い夏を乗り切りましょう。

 お米と健康というテーマは、また、ゆっくり時間をかけてお話したいと思います。

 さて、今日の本題。炊飯の際の、お米のはかり方と水漬けについてです。

 まず、これまでのお話の復習です。

 ひとつ、厳密にいえば、いつものお米はありません。お米は一期一会、出会いを楽しんでください。

 ひとつ、お米は炊飯器付属のカップではかりましょう。

 ひとつ、最近の炊飯器であれば、水漬け、蒸らしは不要です。

 ひとつ、研ぎは不要。洗ってださい。

 ただ、全ては、原則としてということです。炊飯道具や精米機のレベルなど、状況によっては、この限りではないということも、覚えておいてください。

 さて、今日のお題に戻って。まずは、お米のはかり方です。

 すでに炊飯器付属のカップで、はかってくださいとお願いしました。炊飯器を変えると、新しい付属のカップがついてきますが、カップの容量は微妙に異なります。

 一応、カップ一杯は、一合となっています。一合は180cc。重量では約150グラム。昔は140グラムと言われていました。米粒が全体的に小さくなったので、同じ容量でも、カップ内のすきまが少なくなって、その分、重くなりました。

 重量を計ると、これが、カップごとに微妙に違うんです。なので、付属のカップを使いましょう、ということです。万が一、他のカップを使うと、炊飯の結果が微妙に変わってしまうかもしれません。炊飯器の水の線を参考にして、あとはご自身やご家族の好みで調節してください。

 具体的なお米のはかり方をします。もっとも大事なことは、カップにお米を入れたら、「すりきり」ではかってください。お箸などを使って、盛り上がっている部分を取り除いでください。

 ここでもう一つ大事なことがあります。とんとんとんとん、カップをたたきながら揺らさないでください。どんどんお米が詰まっていきます。これでは、計るたびに重量が変わってしまいます。さっと入れて、すりきりで一合ずつはかる、これで十分です。

 次に、水に漬けるところです。浸漬と言います。前にお話ししましたように、最近の電気炊飯器やガス炊飯器は、浸漬と蒸らしまで炊飯工程に入っていますので、わざわざ水に漬ける時間を見る必要はありません。

 しかしながら、そのような機能がない、文化釜や土鍋などでは、浸漬時間を炊飯の前にしっかり取る必要があります。

 その目安は、夏場三十分、冬場で一時間。季節で水温が違いますので。

 この時間をとることで、できるだけお米に水を吸わせます。これが、その後の加熱と蒸らしという工程の中で、でんぷん質が芯までほぐれて、美味しいご飯に化ける秘訣です。専門用語でいうと、アルファ化と言います。

 お米は、最初の三十分で、八割ほど水を吸います。一時間以上になると、もうほとんどそれ以上は吸いません。

 浸漬に使うお水ですが、出来れば冷水がいいです。お湯を使わないように。お湯では、最初、吸水が進みますが、最終的には冷水のほうが芯まで水が入ります。

 ということで、夏場も冷水を使うか、冷蔵庫を使って、一時間浸漬するほうが望ましいです。

 まぁ、私の話は、原理的で理論的、究極の話が多いので、あくまで参考にしてください。

 基本は、自動の炊飯器以外の場合、夏場三十分、冬場一時間の浸漬時間をとるということです。 

 最後に、ちょっと宣伝を二つほど。

 一つ目は、陶珍(とうちん)という陶器です。残ったご飯を美味しく戻してくれるありがたい容器です。色々試しましたが、これが一番です。実は、店でも販売しています。実物も見れますので、店頭でご覧ください。

 二つ目は、令和最初の新米のご案内です。石垣島のひとめぼれが、六月二十日頃に入荷予定です。昨年から販売しておりますが、昨年は予想をはるかに超えた食味でした。今年も、期待しております。

 さて、今日はこれくらいで。

 皆さん、お米について聞きたいことがあれば、何でも結構です。是非、ラジオフチューズまでメールをお寄せください。

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