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「お米の品種改良」天地米店小澤量のHave a Rice Day! ラジオフチューズ2019/07/23

      2020/08/17

お米の品種改良

 今日は、お米の品種改良についてのお話です。品種改良の三つの方法。それぞれの方法についての歴史や詳細、最後に遺伝子操作との違いについてお話します。

 毎年、新しい品種が登場します。先週お話しましたが。新しい品種が登場するまでは、計画段階から何年間もかかります。今日は、その方法についてお話しします。

 新しい品種を作るには、三つの方法があります。

 一つ目は、突然変異を見つけること。

 二つ目は、突然変異を人為的に起こすこと。 

 三つ目は、違う品種を掛け合わせて、それぞれの優れた特徴を持つ違った品種を作ること、交雑育種と言います。

 そして、どの方法でも、最後に、種として固定化をします。何世代も作り続け、望ましい性質を持った種の選別を繰り返します。最初は、同じ性質の物しか出てきませんが、次の世代から、両親の持っている他の形質が出てきてしまうからです。品種改良に何年もかかるのは、この選別を続けて、望ましい種だけを残すことに何世代もかかるからです。お米は、基本一年一作ですので、固定化するには、何年間も、だいたい10年間かかることを意味します。

 さて、さきほど、紹介した三つの方法についてこれから説明します。

 掛け合わせによる品種改良は、メンデルの法則を利用したものです。この名前、学校で習った記憶がある方もいるかと思います。近代になってからの方法です。元々は、一番目の、突然変異を見つけることしかありませんでした。

 明治期になってもそうでした。有名な品種に「亀ノ尾」があります。山形県の農家・阿部亀治さんが、明治26年1893年、凶作冷害の年にも耐えて稔っている3本の穂を見つけました。それを育成して、亀ノ尾という品種が作られました。現在の有名ブランド「コシヒカリ」「ササニシキ」のルーツの一品種です。「ひとめぼれ」も「あきたこまち」も「つや姫」も、「亀の尾」がなかったら生まれていません。

 メンデルの法則が再発見されたのが1900年明治33年、それから四年後、1904年明治37年、日本で最初の交雑育種が行われました。なかなか、具体的な成果が得られませんでしたが、大正3年から大正10年まで(1914年から1921年まで)、選抜を繰り返して誕生した品種がその成果でした。「陸羽132号」と言います。先ほど紹介した亀ノ尾の子供で、これが、コシヒカリ・ササニシキにつながります。

 それから、ずっと品種改良が続いて、今日の500種類を超える日本の米品種につながっています。

 話を少し戻して、品種改良の二番目で紹介した突然変異を人為的に起こす方法についてお話しします。

 これには、放射能や化学品を使ったり、プロトプロスト培養という方法などがあります。

 放射能などと聞くと、ぎょっとなるかもしれませんが、自然界にも、放射能による突然変異があります。コバルトなどの放射能を出す元素が土壌に多いと突然変異が良く出るということも知られています。そして、大事なことは、突然変異は最初の種だけで、それからあとは、交雑育種と同じで、10年間かけての育成選抜が必要です。最初の突然変異のあと、どういうものが出てくるかは、自然に任せるしかないわけです。

 ところで、野菜の種などでF1という物を聞きます。今まで、お話ししてきたお米の新品種とどう違うのでしょうか?

 さきほど、メンデルの法則を紹介しました。掛け合わせの第一世代では、同じ性質を持つ種がとれます。そして、第二世代では、色々な性質を持つものが出てきてしまいますので、長期間育成選抜して固定化することで、その後も同じ種をとることができます。F1では、この固定化をしません。F1とは、第一世代のこと、つまり、毎年、掛け合わせを行い、第一世代を作り、それを種として販売しているわけです。固定化された種とF1の違いがわかりましたでしょうか?

 さらに、遺伝子操作というのがあります。固定化された品種との違いは何でしょうか?遺伝子操作は、本当に安全なのか、様々な議論があり、法律でその表示が定められています。消費者の知る権利・選ぶ権利を尊重しているからです。もっとも、外国からは、より正確には、関係企業からの要請を受けたアメリカからは、そういう表記もはずせ、という圧力もあるようです。

 遺伝子操作を擁護する主張は、これまでの品種改良も遺伝子操作も、自然にあった突然変異を人為的に起こしているだけで、手段の違いでしかない、というものです。

 遺伝子操作は、欲しい性質を獲得するために、掛け合わせではなくて、遺伝子レベルで操作します。掛け合わせは、同じ種類の作物を使います。お米なら、お米とお米。お米とじゃがいもではありません。それが、遺伝子操作では、出来てしまうんです。さらには、動物の遺伝子も使えます。

 これが、自然と同じ、ことでしょうか?

 これまでの品種改良では、長時間かけて、固定化します。毎年の生育は、全く自然に任せます。メンデルの法則という理論上の裏付けはありますが、生育自体は、自然にゆだねられています。そういう、人智を超えたものが、遺伝子操作にはないのです。

 この、長期間自然に委ねる部分というのがなく、違った作物の間でも操作が可能、というところに、説明しがたい気味悪さを感じます。いくら除草剤をまいても大丈夫なお米なんて、食べたいとは思いません。まあ、これは、私だけの感覚かもしれませんが。

 皆さん、お米について聞きたいことがあれば、何でも結構です。是非、ラジオフチューズまでメールをお寄せください。

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