無農薬玄米・贈答米 てんち米店(天地米店)ブログ

五ツ星お米マイスターとあなたに合った美味しいご飯を探しませんか?

ブログ

「お米は一期一会」天地米店小澤量のHave a Rice Day! ラジオフチューズ2019/04/16

投稿日:2019年4月16日 更新日:

お米は一期一会 いつものお米はないんです!

 前回、つまり初回は、店の歴史を紹介させていただきました。今回から、本題のお米にまつわる話をしたいと思います。

 本題に入る前に、先日の旅の話を少しばかり。奈良に行ってきました。「山の辺の道」という古代の歴史にも記されている道を自転車で縦走してきました。ずっとずっと行きたかったところで、日本最古の神社とも言われる三輪神社(現 大神神社=おおみわじんじゃ)など、古い由緒ある神社仏閣や古墳を回ったり、万葉集にうたわれたような山々の遠景を眺めながら、古代の息吹を感じてきました。

 さて、旅行の楽しみの一つは食事ですが、今回ちょっと残念なことが。それは、ご飯、お米です。だいたい、食事全般はいいのですが、お米がちょっとちょっとというのが多い。一番お金をかけずに、ぐっと美味しくなるのに?といつも思います。

 さてさて、今日の本題です。
 皆さんは、食べるお米を決めていますか?「うちは、あきたこまち」「うちは、ひとめぼれ」とか。

 私が言いたいことは、お米は一期一会!何のことだと思うかもしれませんね。言いたいことは、いつものお米とか、この前のお米はないということなんです。

 「そんなことはないはずだ。先日も、いつものお米を買った。味もたいして変わらない」こんな風に思われるかもしれません。でも、やはり、いつものお米はないんです。

 まず、基本的なことです。お米はどこで取るか。田んぼです。田んぼには、それぞれの歴史が詰まっています。同じ県内でも、場所が違えば、土の質が随分違います。同じ町にある田んぼでも、山沿いなのか、川沿いなのか、海沿いなのか、そういうことで、土質が違います。粘る土、砂のような土、それだけで、肥料や農薬の効果などが変わります。

 そして、生産者がお米を作る田んぼは、家の周囲にまとまってあるわけではありません。ある程度の規模以上になると、他人の田んぼを借りているケースがほとんどです。つまり、田んぼのある場所、土質、そして、これまでどのようにお米が作られてきたか、どのような肥料をどれだけ使ってきたか、千差万別なんです。

 つまり、農家さんは条件の異なる田んぼでお米を作らなければいけないんです。そして、条件が違うところで作るお米を同じように仕上げることはそれほどたやすくない。

 また、さらに厳密にいえば、同じ田んぼでも水口と真ん中でも違いますし、同じ一本の穂でも、全部一度に実がつくわけではなく、実が出そろうまでには時間がかかります。最初の粒と最後の粒では成熟度も違います。

 そして、年ごとに気候も違います。ここ数年の異常気象続きの天候では、なおさら条件が変わります。

 ここまで話してきましたように、これだけ条件が違う中で、同じ県の同じ品種だからと言って、同じレベルのお米を期待することは難しいことをご理解いただけましたでしょうか?

 買うたびに、同じような性質・品質を期待すること自体ありえないことなんです。お米は一期一会と言ったのは、こういう意味です。

 勿論、これは厳密に言えばということです。普通は、ここまで突き詰めて考えることはないでしょう。ただ、本当はこうなのだということを理解していただきたいと思います。

 さて、どうせ「いつものお米」がないなら、どうしましょう?

 私のお勧めは二つ。

 一つ目は、とにかく、色々な品種を先入観なく食べてみること。日本には五百以上のお米品種があります。流通しているのは百くらいだと思いますが。うちの店でも四十くらいあります。少量ずつ複数の品種を買って、とにかく食べ比べる。ご家族に内緒で、毎日違うお米を炊いて、反応を見る。意外なものが美味しかったり、家族の中でも好みが違ったり、色々な発見があると思います。

 二つ目は、そうやって出来るだけたくさんの品種をトライしたうえで、ご自身やご家族の好みの品種をさらに厳密化していくことです。産地をしぼり、生産者をしぼり、「うちはこれ」というお米を探してみてください。そこまでいけば、かなり安定した「いつものお米」が楽しめると思います。そして、いつものお米を買いながら、毎回違う品種を少し買って、気分やメニューで食べ比べるというのも一興です。

 とにかく、先入観なく、お米を楽しんでください。

 お米は一期一会!全ての出会いを大切にしてください。

 今週はこれくらいで。

 皆さん、お米について聞きたいことがあれば、何でも結構です。是非、ラジオフチューズまでメールをお寄せください。

-ブログ
-, , , ,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

続々新米入荷ではなくて、終売が続々と 笑

新米の時期が到来、 毎週、毎日、 どこぞの新米のニュースが。   正直、あまり良い話はないですね。 品質が。収量が。 やはり、台風に大雨で、 決定的に日照不足。   「日照りに不作 …

no image

「お米と日本の歴史その3」天地米店小澤量のHave a Rice Day! ラジオフチューズ2019/10/01

 今日も、日本の歴史とお米。三部作の最終回です。   鎌倉時代から始めます。鎌倉幕府が朝廷に認めさせた権利が、守護地頭です。守護はその国の軍事や警察を担当し、地頭は荘園や公領の管理や年貢の取り立てなど …

no image

大人にお米の話

先日、とある大人の会でお米の話をしてきました。   品種・歴史・生産量から始まり、 どのように生産・流通の中で品質が担保されるか、 お米の選択・保管、炊飯などの定番を経て、 最後は、 日本の …

no image

人間はもともと雑食だった?!

最近、何かと話題の糖質制限食を主張される方の説明の中に、   「先住民」とか「原住民」は、何を食べていたのか? 農耕が広まるまでは、彼らは、糖質ではなく、もっぱらたんぱく質を摂取していた、 …

no image

炊飯器のマニュアル読んでますか?

多分ですね、誰も全部は読んでいないでしょうね、炊飯器のマニュアル。 勿論、最低限、使えるようにする部分は読むでしょうが、 端から端までは読まないかと。   是非、一度、モードの部分を全部確認 …