無農薬玄米・贈答米 てんち米店(天地米店)ブログ

五ツ星お米マイスターとあなたに合った美味しいご飯を探しませんか?

ブログ

「糖質制限 その8」天地米店小澤量のHave a Rice Day! ラジオフチューズ2020/11/10

投稿日:2020年11月10日 更新日:

 先回は、特にイヌイットの例をあげて、特殊事例を持ち出して、糖質制限を正当化することのおかしさを、歴史的に科学的に話しました。

 今回は、糖質制限派が持ち出すケトン体の話です。

 イヌイットのように肉食中心で、たっぷり脂肪を摂取している場合、体の中で何が起こるのでしょうか?

 糖質を摂取しないので、まず、脳などが必要とするブドウ糖を糖新生という方法で作ります。材料は、筋肉です。具体的には、たんぱく質と脂肪です。

 でも、糖新生の産生能力には限界があります。当然ですよね、筋肉がなくなってしまいます。

 次に、脂肪を使って、ケトン体を作ります。ケトン体は、脳細胞がブドウ糖の代わりに使えます。

 ブドウ糖しか使えない脳細胞という言い方をよく見ますが、本当は、ケトン体も使えます。つまり、糖質がなくても困りません(そう主張されていますが、あとで詳しく検証します)。

 ケトン体は脂肪を分解して作られますので、脂肪も減り、体重も減り、さらには、最近では、むしろ、体に良いとされる様々な研究もあります。いいことづくめですね。

 なので、糖質を摂取しなくてもいい、いや、糖質摂取こそが万病のもとで、本来の人間の食事に戻せば、万事がうまくいく、これが、極端な糖質制限派の主張です。

 さて、本来の人間の食事、などという言い方がおかしいことは、既に説明しましたので、他のポイントについてお話します。

 まず、脳細胞がケトン体を利用できるというのは、一部正解です。

 たしかに、ケトン体はブドウ糖のように脳内に入ることができて、脳細胞がエネルギー源として使えます。ただし、脳細胞全体ではありません。

 脳細胞は、簡単に言うと、ニューロンとグリア細胞からできています。そして、グリア細胞は、ニューロンよりはるかに多いのです。全体では十倍ともいわれるし、大脳皮質では、四倍あります。

 このグリア細胞が、ブドウ糖しかエネルギー源として使えないのです。

 グリア細胞の役割は、これまで補助的なものだと考えられてきましたが、近年の研究で、大変重要な役割を担っていることがわかってきました。

 以下のような機能があります。

  • 神経細胞に栄養を与えたり、過剰なイオンや神経伝達物質を速やかに除去することにより、神経細胞の生存と働きを助ける。
  • 次に、脳を有害物質から守る血液脳関門をつくっている。
  • また、シナプス伝達効率や局所脳血流の制御という,脳機能にとって本質的な役割も果たしている。
  • そして、睡眠時に脳から有害物質を取り除く。

 発見から100年、グリア細胞は、ニューロンを支える「黒衣(くろご)」であると考えられてきました。活動を示す電位を発しないからです。しかし、たった一つの細胞で神経の生存環境の維持から神経伝達・脳血流の制御まで行うことができる、驚くほど多機能な細胞だということが明らかになってきました。

 さらに、グリア細胞は、長期記憶にも関係していることまで判明してきました。

 こういう細胞が、ケトン体では間に合わず、ブドウ糖を必要とするんです。

 かの天才理論物理学者・アルベルト・アインシュタインの脳は、グリア細胞の数が桁外れに多かったことが、発見されています。 

 脳細胞だけではありません。ブドウ糖は赤血球や腎臓の髄質、一部の筋肉を正常に動かすために使われており、1日に最低限必要な量はおよそ150gといわれています。ブドウ糖1グラムは、4キロカロリーですので、カロリーに直すと、600キロカリー。

 一日2000キロカロリー摂取とすると、3割です。

 極端な糖質制限主義者は、糖質を摂取しなくてもいいというようなことを言いますが、糖質を絶つことが、脳や体の働きにどのような悪影響を与えるか、イメージできると思います。

 最初にお話したように、糖質が極端に不足すると、体は脂肪を分解して「ケトン体」という物質を作り、グルコースの代わりにエネルギー源にします。エネルギー源がグルコースからケトン体に切り替わった状態を「ケトーシス」と呼びます。ケトーシス状態にあることをケトジェニックと言います。

 面白いことを紹介します。

 糖質制限派は、「イヌイットはケトジェニックだ!」という話をしますが、イヌイットの血液検査は1930年代から何度も行われていて、いずれも「血中のケトン体は高くない」という結論です。

 先回お話したように、イヌイットは、炭水化物は摂取しなくても、糖質はそれなりに摂取していて、なおかつ、長期間の食習慣で、ケトーシス状態にならない遺伝子変異を獲得しているんです。 

 糖質制限派の主張を根本で崩しています。

-ブログ

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

「お米の品種改良」天地米店小澤量のHave a Rice Day! ラジオフチューズ2019/07/23

お米の品種改良  今日は、お米の品種改良についてのお話です。品種改良の三つの方法。それぞれの方法についての歴史や詳細、最後に遺伝子操作との違いについてお話します。  毎年、新しい品種が登場します。先週 …

no image

玄米って栄養ありますよね!?

新しいお客様 (_ _*)(*_ _)ペコリ 無農薬と減農薬を見比べて、結局、 無農薬玄米のお買い上げ! そして、こんないつもの会話が。 玄米って栄養あるよね。 確かに、玄米には栄養がありますね。 駅 …

no image

続々新米入荷ではなくて、終売が続々と 笑

新米の時期が到来、 毎週、毎日、 どこぞの新米のニュースが。   正直、あまり良い話はないですね。 品質が。収量が。 やはり、台風に大雨で、 決定的に日照不足。   「日照りに不作 …

no image

「コシヒカリBL」天地米店小澤量のHave a Rice Day! ラジオフチューズ2020/1/7

 新年あけましておめでとうございます。この番組も無事、新年を迎えることができました。  今回は、先回でお伝えしましたように、コシヒカリの続編です。新潟のコシヒカリ事情、コシヒカリBLという問題について …

no image

意外と知られていない日本のお米事情

無農薬米に無農薬の雑穀をお買い上げのお客様。 やはり、アトピーに関心があり、農薬などに対する知識も豊富です。 その会話の中で、日本の米事情に話が及び、 意外と知られていないことが多いんだな、と。 &n …

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。