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「コシヒカリ」天地米店小澤量のHave a Rice Day! ラジオフチューズ2019/12/24

      2020/09/04

  いよいよ、今年の最終回。何を話そうかと考えていました。最近はやりの糖質制限にしようか、原発事故で騒がれた放射能の話にしようか、などなど考えていました。

 で、結局、コシヒカリにしました。そうです、お米の横綱コシヒカリです。

 最初に、全般的なお話。

 次に、開発や生産に関するお話。

 まず、全般的な話です。

 コシヒカリが作られ始めたのが、昭和30年、1955年。60年以上たった今でも、作付け面積シェア一位。1979(昭和54年)からずっと一位です。かつてのもう一つの横綱ササニシキが上位二十位から落ちてしまった今でも、トップですから、まさに、昭和平成令和三代に渡る大横綱です。

 数字で見ると、作付け面積35%前後を維持しています。三分の一以上がコシヒカリなんです。

 なお、上位の四品種は、コシヒカリに続いて、ひとめぼれ・ヒノヒカリ・あきたこまち。

 雑学ですが、コシヒカリとヒノヒカリはカタカナで、ひとめぼれとあきたこまちは、ひらがなで書きます。国の農業試験場で開発されたものは、カタカナ。県の試験場で開発されたものは、ひらがな。こういう決まりがあったんです。今は、実に自由になっています。

 この、上位四つの順番も平成11年1999年から変わっていません。そして、ひとめぼれもヒノヒカリもあきたこまちも、コシヒカリの子供です。上位四つで60%もあります。

 さらに、現在の新しい品種は、その先祖にだいたいコシヒカリが入っていますから、コシヒカリがいかに、素晴らしい品種かがわかります。競馬のディープインパクト以上とでも言えばいいでしょうか。

 沖縄と北海道を除くすべての都道府県で栽培されているコシヒカリです。以前にもお話しましたが、土壌や自然条件が違えば、同じ県内、同じ地域でも品質が異なります。さらに、生産者の意欲や実力もあります。いつも食べているのがコシヒカリ、では、とてもその品質がわからないんですね。

 次に、開発と生産の話です。

 コシヒカリと聞くと、新潟となります。ですが、開発されたのは福井県にある農業試験場。これは、良くクイズなどに使われるネタなんですが、さらに言うと、一番最初の開発は新潟県で始まっています。戦争中のために、一時開発が中断され、戦後、福井県の農業試験場に北陸の新品種開発の仕事が集中されたために、福井県で開発されることになった、といういきさつです。

 そして、昭和30年1955年、正式な生産が開始されました。当初の試験栽培はあまり評判が良くなく、新潟県と千葉県だけが、正式に採用しました。それから、徐々に生産する県が増えていき、今の隆盛につながりました。

 コシヒカリの持ち味は、とにかくその美味しさです。そして、肥料、具体的には窒素を与えすぎると、丈が伸びすぎて台風などで倒れやくなります。これを倒伏と言います。倒伏すると、作業も大変になり、品質も低下します。自然と窒素を抑えることになります。これが、食味にとってとても重要です。窒素を与えすぎると、たくさんとれますが、一般的には不味くなります。

 生産者は、どうしてもたくさんとりたい。でも、窒素を上げ過ぎるとまずくなる。それでも、農協に出荷すれば、同じ単価で買い取ってくれますから、ここは、欲との葛藤になります。窒素を上げすぎると、倒伏しやすくなる。というのは、食味の最低ラインを維持するためには、とても有効な性質です。ただし、あくまで、美味しい物を作ることを優先する生産者にとっては、ですが。

 この窒素と食味の関係をはっきり数字で管理している品種があります。山形県のつや姫とか北海道のゆめぴりかです。

 使う肥料などを制限して、出来たお米のタンパク値を測ったりして、出来のいい物だけ、その品種名で流通するようにしているのです。窒素の使いすぎは、タンパク値の計測でわかりますので。ここまですれば、合わない土地で作ったり、肥料を上げ過ぎたりして、市場の評判を落とすお米の流通を制限できます。

 これも、一長一短あるのですが、思い切って単純化してお話しています。

 コシヒカリでここまで管理しているところはありません。丈が伸びすぎるとわかっていても、肥料を増やして収量を増加しようとする生産者もいるでしょう。農協に出してしまえば、単価は変わらないので、より多くの収入につながりますから。結局、品質のばらつきはいなめません。

 販売するお米の品質を一年通じて、できるだけ維持したかったら、生産地や生産者、農法などを制限するしかないんですね。

 なお、お米の品質は、窒素だけで決まるわけではありません。色々な要素があります。皆様にできるだけわかりやすくするために、かなり、簡略化していますことをご理解ください。

 マスコミ情報の難しさもここにあります。本当のことを正しく説明しようとすると、どうしても長く難しくなります。簡単にしようとすると、色々と省くことになります。省いたことの中に、本質的なこともあったりで、非常に難しいですね。

 今日はここまです。

 本当は、最後に、コシヒカリBLという問題をお話したかったのですが、それは次回に。

 もし、ご興味があれば、当店のHPにも書いていますので、ご覧になっていただければと思います。さらに質問いただければ、次回の話で触れられます。

 次回は、年明け一月七日火曜日です。 皆さん、お米について知りたい聞きたいことがあれば、何でも結構です。是非、ラジオフチューズまでメールをお寄せください。

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