昨晩と今朝にかけて、低グルテリン米の説明。
FAXと電話で。
いつもながら、ご理解いただけたか???
こういう流れなのだが。
腎臓の疾患等で食事におけるタンパク質を控える必要がある。
「低タンパク米」と呼ばれる、ご飯の加工品が作られた。これは、化学的に処理されたレトルト米で、タンパク質の量が普通のお米の1/25とかに抑えられている。病院の購買で買える。
しかし、非常にまずくて高価。食事の楽しみもないし、家計を圧迫する。
一方で、お米の研究から、お米のタンパク質には、体が吸収する易消化性のタンパク質と吸収しない難消化性があることがわかった。だいたい、25%は吸収していない。
そこで、この比率を変えれば、結果として、体が吸収するタンパク質を減らせるという発想から、お米が開発された。結果、難消化性タンパク質がタンパク質全体の45%~60%に増えた。これは、易消化性タンパク質が普通のお米に比べて25%から50%減ることを意味する。
当初は、これも「低タンパク米」と称されたが、実質的に減らせる量が50%を超えないために、厚労省と農水省の間で議論になり、「低タンパク米」と称さないことになった。
易消化性の70%以上が「グルテリン」であり、これが、普通のお米に比べてかなり減るところから、「低グルテリン米」と呼ばれることになった(公的かどうかは不明?)。易消化性タンパク質には他にグロブリンなどがあるが、これらは、逆に増えてしまう。
お客様の知りたいことは
「いったい、100gのご飯を食べて、何グラムのタンパク質摂取になるか?」
なので、
当店では、一応、
「当店に入荷したお米の検査を見る限り、1.2g~1.9gの幅があります。しかも易消化性に関してです。栄養士さんは総タンパク量で計算するので、単純比較できません。」
とお答えしておりますが、
1.農産物なので年度によって差がある
2.そも、検査に出した検体の結果が全てのお米にあてはまるとは限らない
3.玄米での検査をご飯に計算し直しているが、それもみなしの計算
4.国の定めたお米のタンパク質は6.8g/100g。実質は、5~8gの幅がある。しかも、20%の+-誤差含み。
ということで、
「厳密なことは何も申し上げられない。こんなところと御理解ください。」
と一言添えないといけない。
これで、「なるほど」となる方もいるが、
なかには、どうしても厳密計算したくて、
「で、何グラム?」と本当に何回も聞き返す方もいる。
わらにもすがる気持ちはわかるのだが、
場合によっては、説明に30分以上かかったうえに
最後にこれを聞かれると・・・
こう説明すれば絶対わかる、というのがあればといつも思うのだが。
あ、そうそう、お医者さんと栄養士さん、
低タンパク米と簡単に言わないでね!