当店、色々なお米があります。
JAS有機米、無農薬米、減農薬米、慣行米。
簡単に言えば、
JAS有機は、無化学肥料・無化学合成農薬を3年間不使用、
さらに有機認証団体の認証を受けているもの。
無農薬米は、化学合成農薬を利用していないもの。
減農薬米は、地域の一般標準の半分以下の化学合成農薬しか使っていないもの。
慣行米は、地域で許容されている化学合成農薬の基準以内の農薬を使っているもの。
「有機米とか無農薬米は美味しくて体にいいんでしょ?」
とたまに聞かれます。
確かに、
農薬が残留するのは、ヌカ層と胚芽部分ですので、
玄米で食べるには、無農薬のほうがいいことは当然です。
しかし、問題点も指摘されています。
「植物は病害虫などのストレスを受けると体内に天然農薬とも言われる生体防御物質を生成することが知られている。1990年、米カリフォルニア大学のB N Ames博士らは、アメリカ人の食事に含まれる農薬物質の99.99%が植物由来の天然農薬であるという調査結果を公表した。 1990年当時52種類の天然農薬の発癌性に関して試験がなされていたが、その内の27種類の天然農薬に対して発癌性が認められている。博士らは、天然農 薬は人工農薬とほぼ同等の発癌リスクを有しており、人工農薬はその摂取量が天然農薬に比べて極めて少ないことから、危険はほとんど無いと結論している。人体への毒性を考慮すべきは、残留基準が厳密に定められている残留農薬ではなく、植物が自ら生成する天然農薬なのだ。」
という主張もあります。
2.有機認証自体にも問題が:
有機認証という行為も、商行為です。
つまりは、金儲けのために利用されかねない。
実際に、認証登録を取り消される民間業者もいます。
たとえば、
有機農産物等の登録認定機関に対する登録の取消し等に係る聴聞の実施について
(平成24年6月20日農林水産省)
それでは、どうして有機米とか無農薬米を取り扱うのか?
と聞かれそうですが、
やはり、生産地で生産者にお会いして
田んぼを見て、
作業する様子を見れば、
そこで穫れたお米は、
意欲と意志と苦労がしみ込んだものだとわかるからです。
通常はしないような様々な作業、
たとえば、
アイガモを育て、放し、
アイガモがキツネやカラスに襲われないように
電気柵を作ったり、テグスを張ったり。
そして、それでも出てくる雑草を
夏の炎天下、手押し車で条間を
往復しながら、手で抜き取っていく。
見ている方が卒倒しそうな作業です。
そして、なにより違うのが、
普通栽培の隣の田んぼとの違いです。
生き物の宝庫のような無農薬栽培の田んぼと
青く澄んで何も生き物がいない田んぼ。
当初、無農薬栽培自体を信じていなかった自分が
あの違いを見るだけで、納得せざるをえなかったことを
思い出します。
上に書いたような問題もあるのでしょうが、
それはそれで一つの理屈です。
理屈より、田んぼで感じた直感を信じたい、
元来は、気難しい理屈屋の自分でも
そう感じています。