新米の時期ですね。
当店は、量販店などから比べると、
2週間からへたしたら一か月以上
それぞれの地域・品種の新米入荷が遅いです。
お付き合いしている生産者の収穫が、
地域でも、かなり遅い方というかたが多くて。
ゆっくり、じっくり、稲を育てながら、
稲の具合を見ながら、作業されている
からだと思います。
でも、
ぼちぼちと新米が入荷しはじめました。
先日、高温障害のために白濁している粒が多い、
ということを書きましたが、
高温の障害はもう一つ。
そして、今年は、この問題の方が大きそうです。
それは、「胴割れ」
玄米粒の真ん中に横に線が入っていて、精米時に真っ二つに割れてしまいます。
そのままにしておけば、べちゃっとして、粒のそろっていない炊飯。
綺麗に除去すれば、美味しくなりますが、歩留りが落ちます(原価上昇)
進むも地獄、戻るも地獄、ってなとこですね。

でも、やっぱり、原価上昇はある程度我慢しても品質保持しないと。
当店では、小米抜きという機械で、精米時の割れ米を出来るだけ除去していますが、
網のサイズが3種類。
粒が大きくて、ほとんど割れ米が出ない場合は、一番小さい網。
粒が小さめで、ほとんど割れ米が出ない場合は、真ん中の網。
どちらも、粉々になったお米がしっかりとれます。
しかし、真っ二つになる粒、つまり胴割れが多い場合、
まずは、小さい網で一度目の小米抜き。
次に、網を一番大きいのに変えて、二度目の作業。
正直、ここでは、整粒(いい粒)も落ちてしまって 涙 なのですが、
でも、出来上がったお米を見れば、差は歴然です。
自分で食べてみると、「差」では済まない。
やっぱり、手が抜けない。
この先、この二次作業が不要なお米ばかりになることを
期待しつつ、新米仕入れの日々を送ります。
ちょっと、お勉強。
以下、
http://www.tochigi-beibaku.or.jp/data/gijutsu/douware.pdf
から抜粋(+一部補足)。
米粒は、周りの湿度に反応し水分を吸収・放出しますが、部位によりその早さに差があります。
そのことから、完熟した米粒は硬く米粒内部に圧力の不均衡が生じ、急激な膨張・収縮に耐えきれず亀裂が発生し、胴割粒となります。
発生要因
①出穂(しゅっすい)後10日間の気温が高いほど、発生が多くなります。デンプン蓄積の異常により、割れやすくなると考えられています。
②早期落水、刈り遅れによる籾含水率の過度の低下により発生します。
③登熟期に葉色が淡いほど、発生が多くなります。出穂期以降の葉色と玄米タンパク含有率には密接な関係があり、玄米タンパク含有率が低い米は、登熟初期の高温条件による胴割発生がより多くなる傾向にあります。
※窒素肥料を抑えて、タンパク質を低くすると食味が向上すると言われています。
窒素肥料を少なくすることは同時に収量を抑えることでもあります。より少なくより美味しく作る。
でも、タンパク質が低いと、胴割れしやすい。悩ましいですね。
④浅い作土条件でも、籾含水率の過度の低下により発生します。ほ場の作土深は登熟後期の籾含水率の低下速度と密接に関連しており、浅い場合には含水率の低下が早く胴割が生じやすくなります。
⑤高水分籾の高温乾燥により発生します。
なお、胴割れまいの英語は
cracked rice kernel
です。