「米スタイル」2013 冬 Vol.4 (お米マイスター情報誌)より転載
森谷 敏夫教授 京都大学大学院 人間・環境学研究科
私がごはん食をすすめる理由②
高脂肪食こそが肥満の原因
戦後、日本人の食生活は、米を主食にして魚や野菜を食べる「高糖質食」(和食)から、
肉や魚を多く摂る「高脂肪食」(洋食)へと急速な勢いで変化してきました。
近年増加している肥満の背景には、この食事の高脂質化が大きく関与しているのです。
脳は糖質しかエネルギーとして利用できないため、糖質によって血糖値があるレベルまで高くならないと、脳の視床下部にある満腹中枢が満たされず、食欲が抑制されないので、高脂質食ではいつまでも満腹感が得られずに、食べ過ぎてしまうことになってしまいます。
つまり高脂質食の食事は満腹感が得にくく、脂肪に合成されやすいために「太りやすい食事」といえるのです。
一方で、ご飯などの糖質食は「太りにくい食事」なのに、なぜか、最近では、ご飯を抜くダイエットが世間にまかり通っているのは不思議な気がします。